ラモス瑠偉 祝辞

2013 年 5 月 15 日

Jリーグ20周年、おめでとうございます。

1993年5月15日の国立競技場での開幕戦。
満員の国立、本当に嬉しく、そして誇らしい気持ちでいっぱいでした。

1980年代中盤から日本サッカーリーグを牽引した読売クラブと日産自動車。
Jリーグで名前をヴェルディ、マリノスと変更しましたが、お互いがこれまでの歴史や、伝統を背負ってプレイしました。
そして、これから始まる新しい歴史を作ることの責任も感じていました。

この日を迎えられたのは、釜本さん、杉山さんといった先輩たちが日本サッカーを引っ張ってくれたからだと感じています。
日本サッカーの厳しい時代にプレイされていた皆さんの努力がなければ、そして、プロリーグを立ち上げるためにご尽力された川淵三郎初代チェアマンはじめとする方々の勇気ある行動なしには、この日を迎えることはできなったでしょう。

初年度は、週2回の試合でした。35歳の私には、本当にハードなスケジュールでした。
しかし、たくさんの方の前でプレイできる喜びは、それを超えるものでした。
みなさんの声援、歓声が、私の魂に力をくれていたのは間違いありません。

Jリーグは、設立当時から100年後を見据えて歩き始めました。
「Jリーグ百年構想」です。
20周年という節目を迎え、私たちは、もう一度原点を振り返る必要があるかもしれません。

日本代表は世界的にも注目されるほど急速な成長をしました。
選手の社会的地位が高まりました。
スポーツが地域主導の活動になりました。
ピッチの環境が素晴らしい芝生になりました。
その原動力になったのはJリーグ。

Jリーグがあることの喜び。
Jリーグがあることの誇り。
Jリーグがあることの可能性。

日本サッカーが、さらなる発展をするためには、これまで以上にJリーグを魅力的なものにすることが重要です。
選手の素晴らしいプレイ。
グッドマナーで、熱狂的なサポーター。
地域、企業、クラブの連携した取り組み。
20年間築いてきたものを守りつつ、30周年に向けてキックオフ!
チェアマンの声が聞こえてきそうです。

日本サッカーが目指す目標は、まだ先にあります。
20周年をお祝いすると同時に、目標に向かって歩き出しましょう。

Jリーグ20周年、本当におめでとうございます。

ラモス瑠偉